Tsukioka YOSHITOSHI (signed Ikkaisai Yoshitoshi Ga), Lord Teishin with a demon behind a screen, from the Series “One Hundred Ghost Stories of China and Japan” (Wakan Hyaku Monogatari), 1865
「和漢百物語」は日本と中国の怪奇談、妖怪や英雄をテーマにした全26図の揃い物で、1865年に大黒屋金之助(号 大金)によって刊行されました。100図にはなりませんでしたが、芳年が若い頃に手掛けたシリーズで既にその想像力の豊かさとダイナミックな作風が見受けられるシリーズです。
この一枚では、平安時代の貞信公(藤原忠平 880年~949年)にまつわるエピソードが描かれており、「大鏡」第二巻「太政大臣忠平貞信公」の場面になります。或る日の夜、貞信公が紫宸殿の中を通ると何者かの気配を感じます。御簾の隙間から手を伸ばした鬼に太刀鞘を掴まれますが、貞信公は動じずに払い除けて鬼の腕を捕まえます。その冷静さに驚いた鬼が姿を消してしまいます。
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